第一話はこちら
これまでのあらすじ
雪山で自動車事故にあった4人。
一人は意識を失い、一人は風呂に入り、一人はゴリラで、一人は窃盗を働いた。
果たして4人は無事に家に帰られるのか!
クトゥルフ神話TRPG「蛇の屋敷」のネタバレがあります。
3人がゲストルームAでのんびりしていると、館の主人である館山から、食事の準備ができたと知らされる。
3人が大食堂に集まると、そこには豪華な料理が並んでいた。
「どうぞどうぞみなさん、遠慮なくお食べください。どうですか、お味は」
「これは豪華な食事ですね!」
「おいしいでーす」
「いや、私たちも実は料理教室で出会ったものだからね、味にはうるさいのだが。これは絶品だよ」
「館山の料理はとてもおいしく、確かに絶品です。ただ、その時、みなさんはメインディッシュの肉が少し変わった味がすることに気がつきます」
「どうですか、そのお肉は?」
「これは・・・変わった味ですね!シカとか、ですか?」
「ふふふ・・・何だと思います?」
「もしかして…カエルとか?」
「おおお、よくわかりましたね。そうなんですよ、実はこの肉は、この辺りで取れるカエルの肉なんです」
「カエルの肉を食べたことがある人はいる?」
「私ありますよ!」
「そうすると、越智だけは、以前食べたことがあるカエルの肉とは、何だか風味が違うなあと思います」
「えっ・・・!」
「館山さん、このカエルのお肉、なんていうカエルのお肉なんですか?なんだか、以前私が食べたことがある肉とは違う味な気がします」
「そうなんですね、これはヒキガエルの肉なんですが、味付けにも拘っていますからね、特別に美味しいはずですよ」
「ふ、ふーん。そうですか」
「…しかし、この冬にヒキガエルが捕まえられるのかね」
「いえいえ、夏の間に近くの池で捕まえてね、保存食にしたりしているんですよ。あと、実は少し私の部屋で育てていたりもします」
「ほう〜カエルを、育ててね…」
お肉に、【目星】▶︎クリティカル!
「では、セル山が肉をつぶさに観察しますと、先ほどお風呂で見つけたカエルと比べても、明らかにこの肉はでかいような気がすると思います」
「ほーほっほっほ・・・なるほどねえ・・・笑」
「館山さんは、ここに一人暮らしが長いんですかー?」
「そうですね、もう数年は一人でやってますかね。以前は使用人も雇っていたのですが、今は一人で悠々自適にやっています」
「そうなんですねー」
「ところで館山さん、かりんさんのことが私は心配だね」
「確かに、出血は止まりましたが意識がないですからね…」
「なんとか早く病院に連れていってあげることはできないかね」
「そうですね…しかし、雪が激しい中で運転していくのも危険ですし、ここは」
【言いくるめ】ます ▶︎成功
「わかりました、幸い、外の雪も先ほどよりは治まってきているように思います。今なら、運転もなんとかできるでしょう。私がかりんさんを、ふもとの病院まで連れていきます。おそらく入院ということになるでしょうが」
「ありがとうございます!」
「その間、みなさんは休んでいてください。そうですね、病院と往復して…おそらく、帰ってくるのは12時頃になるでしょうから、先におやすみになっていて下さいね」
「助かるよー館山さん」
「ああ、そうだ、ですが、一つだけ。みなさまには1階はご自由に使っていただいて良いのですが、2階には上がらないでくださいね。2階は私のプライベートルームになっていて、とても散らかっていてお恥ずかしいものですから」
「はーい」
「あと、外に大きな蔵があるのですが…そちらも近づかないでください」
「ドキッ。どうしてですか?」
「いや…実は、あそこには…恐ろしい魔物が封じ込められているんですよ」
「・・・」
「はっはっは、いや、もちろん冗談ですよ。あそこは、古い建物なんで、老朽化も心配でして。怪我でもされてはいけませんからね」
「そうですかあ・・・」
館山はそういうと、簡単に食事を片付けると、ゲストルームBのかりんを背負い、玄関に向かった。
相変わらずかりんは意識が無いようだ。
館山はそれでは、と、かりんを連れて、車に乗り込んでいく。
車が遠ざかる音が聞こえて、屋敷には3人の探索者が取り残された。
時刻は8時を示している。
「さ、て、と?」
「ねえ、みなさん。さっきの肉なんですけど!実は、私昔カエルの肉を食べたことがあるんですけど、全然違う味でしたよ。なんか、変な感じしませんか?」
「確かに、あの肉はカエルにしては大きすぎる気がしたねえ」
「何だか、不気味な感じがしますし…あの…実は、僕さっき使用人室でこんな鍵を見つけたんですけどwww」
「おおーーーい!なーにをしてるんだい越智くんー!完全なる窃盗じゃないかー!」
「私は2階に行ってみたい」
「さっき行くなって言われたところなのに、君たちはどうなってるんだい。詐欺師の私が一番まともじゃないか」
「でも、何だか不気味な感じがします!これは、館山さんが帰ってくる前に、すこし屋敷を調べておいたほうがいいんじゃないですか?」
「いや、私は君たちにはついていけない!私は館山さんが帰ってくるのを、ゲストルームで待たせていただくよ!そして、館山さんが帰ってきたら君たちの行動は全て報告させていただくからね!」
「じゃあ私は2階に行こうかな」
「・・・」
「みんなバラバラに移動すると、時間が長くなりそうだから、神のみえざる力によって、3人一緒に動かないとダメってことにしない?」
「と思ったが、私たちは3人で一つ。私もついていって、君たちの行動を監視させてもらおうじゃないか」
「一緒にいこー!」
「よーし!じゃあ、まず、2階から行ってみましょうか!でも、用心に越したことはないですから、私は忍足でいきます!」
「良い判断だね越智くん。私も忍足でいこう」
越智【忍足】▶︎成功
セル山【忍足】▶︎成功
「えー私は忍足ないから、跳躍で行こうかな」
「跳躍?」
エリン【跳躍】▶︎ファンブル!
「では、セル山と越智が見事なしのびあしで足音を完全に消し、その隣ではエリンがバッターンバッターンと屋敷を揺るがすような大ジャンプをしながら3人は2階に向かいました」
「わあいわあい」
「えりんさん・・・」
そうして、廊下を進んでいくと、階段に着く前に、聞き耳の判定がありました。
聞き耳に成功した越智は、ゲストルームBから携帯電話の着信音が聞こえてきたことに気がつきます。
「あれ?携帯電話が、鳴っていますよ。見にいきましょう」
「3人がゲストルームBに入ると、どうやら着信音はベッドの下から聞こえてくるようです。越智は、ベッドの下に手を伸ばすと、そこにはおそらくかりんの物と思われる、IPhoneがありました。起動させると、画面にはメモが表示されます。そこには・・・こんなことが書いてありました」
今、目がさめたところです。
今この瞬間が私に残された最後の時間かもしれないので、こうして遺書のようなものを書き残しておきます。
まず、車での一件はごめんなさい。
しかし、あれは仕組まれた事故です。路面に細工が施されていたような感触がありました。
この屋敷は普通ではありません。
あの道を通る者を陥れ、屋敷に招き入れています。
目的は不 明ですが、私の感覚では、この屋敷周辺から人智を超えた恐ろしい存在の気配を感じます。
皆さんに大変な危機が迫っています。
今まで黙っていましたが、私は普通の人間ではありません。
しかし、私はあなた方を大切な友人 だと思っています。
ですから、私のこの記述を信じて、なんとか方法を見つけて、逃げてください。
私の正体に関しては、この屋敷の者に感づかれています。私は真っ先に消されるでしょう。
このメモを呼んだら、siri を起動してください。
「・・・こ、これは」
「こぉれは、にわかには信じがたいことだね」
「とにかく、Siriを起動してみましょう!」
「へいSiri!」
「すると、ヘイsiriに反応し、siriが起動します・・・」
次回予告
謎の肉を食わされた3人!そしてかりんが残した驚きのメモ!
3人は半信半疑Siriを起動するのだった!
果たして3人に迫る危険とは?!そして人知を超えた存在とは?!
3人は、生存のために上手にクトゥルフできるのかー!
次回、「蹴破れ!分厚い扉」
次回もまた、見てくれよな!